カランコロン♪
あら、いらっしゃい。元気しとった?「ドアベル」だわさ。
あのね、向かいのパチンコ店がオープンして花もらってきたの。
テーブルに飾っとるで、花瓶を引っ掛けて倒さんようにね。
今日はねえ、「おかわり」の話をするよ。
みんな、「おかわり」しとる?
大人になるとさあ、めったに「おかわり」ってせんことない?
もっと欲しいって言うのは恥ずかしいし、食べ過ぎてはいかんとかでこの辺でやめとこうとなるんじゃないかな。
でも、本当に時々そんなことを飛び越えて言う「おかわり」は素直な本当の気持ちだと思わん?
初心者だった私もさ、少しずつ相手の生活を思い浮かべながら量や種類などを考えて送るようになってきたに。
送った荷物はどれも充分足りたようで、それ以上強く何かを望まれることはなかったんだわね。
でもある日「これは本音だわ」と思うことがあったんだわ。
「おかわり」の電話だに~。
趣味で野菜とパン作りを始めて2年目の初夏のこと。
両親に、畑でとれた紫のエンドウを送ったんだわね。
皮が紫で中が緑色という見た目が珍しい、中身がグリーンピースのような実エンドウなんだわ。
両親は豆類や変わった見た目の食べ物をあまり好まんけど、うちで豆ご飯として食べたらおいしかったで、もう一品の手作りパンと同じ箱に入れて全く期待せずに送ったんだわね。
すると送った翌日に電話が鳴って
「あのさ、紫のエンドウまだある?おいしかったわ~。まだあればそれだけでいいで送ってくれん?」
すごくうれしくてすぐ紫のエンドウ豆1種類だけパンパンに詰めた荷物をもう一度送ったら、とても喜んでくれたわ~。
「おかわり」の声が聞きたくてずっと待っとったけど、あっけないほどあっさりやってきたわ。
その電話は社交辞令でなく、感想も要望もはっきりとすがすがしくて、で~ら嬉しかったでこれからも「おかわり」を目指してがんばろうと思ったに~。
今日も来てくれてありがと。また来てね~。
カランコロン♪